y ミリオンダラー・ホテル:Movie:Wim Wenders Unoffiial Site

Wim Wenders Unofficial Fansite
Movie

home

Guide
Movie Biography

Books

MusicBBS
Long Film

ミリオンダラー・ホテル
The Million Dollar Hotel


制作年 2000
邦題 ミリオンダラー・ホテル
原題The Million Dollar Hotel
ジャンルドラマ
時間 122分
フイルム 35mm
カラー カラー
製作国 独=米
製作会社ロード・ムーヴィーズ・フィルムプロダクション
原案 ボノ<Bono>
製作 製作総指揮:ウルリッヒ・フェルベルグ<Ulrich Felsberg>/製作:ディーパック・ネイヤー<Deepak Nayar>/ボノ<Bono>/ニコラス・クライン<Nicholas Klein>/ブルース・デイヴィ<Bruce Davey>/ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>
監督ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>
脚本ニコラス・クライン<Nicholas Klein>
撮影ユルゲン・ユルゲス<Phedon Papamichael>
編集タチアナ・S.リーゲル<Tatiana S. Riegel>
音楽ボノ<Bono>/ジョン・ハッセル<Jon Hassell>/ダニエル・ラノワ<Daniel Lanois>/ブライアン・イーノ<Brian Eno>
出演ジェレミー・デイヴィス<Jeremy Davies>(トムトム)/
ミラ・ジョヴォヴィッチ<Milla Jovovich>(エロイーズ)/
メル・ギブソン<Mel Gibson>(スキナー)/
ジミー・スミッツ<Jimmy Smits>(ジェロニモ)/
ピーター・ストーメア<Peter Stormare>(ディキシー)/
アマンダ・プラマー<Amanda Plummer>(ヴィヴィアン)/
グロリア・スチュアート<Gloria Stuart>(ジェシカ)/
トム・ボウアー<Tom Bower>(ヘクター)/
ドナル・ローグ<Donal Logue>(チャーリー・ベスト)/
バッド・コート<Bud Cort>(ショーティ)/
ジュリアン・サンズ<Julian Sands>(テレンス・スコービー)/
コンラッド・ロバーツ<Conrad Roberts>(スティックス)/
ハリス・ユーリン<Harris Yulin>(スタンレー・ゴールドキス)/
シャーレン・ウッダード<Charlayne Woodard>(ジャン・スウィフト)/
エレン・クレッグホーン<Ellen Cleghorne>(マレーネ)/
リチャード・エディスン<Richard Edson>(ジョー)/
ティト・ラリヴァ<Tito Larriva>(ジェス)


■ 内容

ロサンゼルスのダウンタウンに立つ古びたホテル。そこには奇妙な人々が社会から隔絶されたかのようにひっそりと暮らしていた。ところが、トムトムの親友イジーが屋根から飛び降りるという事件が起きた。FBIの捜査官がやってきて捜査を開始する。イジーがメディア王の息子だったことから、住人たちはイジーの同室だったジェロニモのタールで描いた絵をイジーの絵として売ろうとする。
一方、トムトムはエロイーズに恋をして追いかけ始める。はじめは逃げていたエロイーズだったが、次第にトムトムの純粋さに心を開き始めるが…。

■ 感想

ミステリー仕立ての美しいラブ・ストーリー。U2のボノの製作・原案。U2が好き、というあたりにロックの王道を好むヴェンダースらしさが見える。すでにヴェンダースは1990年に「Night & Day」というU2のプロモビデオを監督している。
オープニング・シーンが非常に美しい。これだけでU2のプロモビデオのようだ。「Million Doller Hotel」の看板のある屋上を走る若者。意志をもってジャンプするように飛び降りる。落ちていく。一つ一つの部屋がはっきり見える。墜落する。そしてエンディングに近い頃、再度このシーンは出てくる。
ヴェンダースはいつも同じような俳優、同じようなスタッフで「ヴェンダース一家」を作って撮影するが、今回他の映画である程度知名度のある各国の俳優を集め、スタッフも丸ごと一新した。20作品目にあたるこの作品で何か一つ転機としようという意志がよく見える。
一新されたスタッフ陣の中でも驚いたのが撮影のユルゲン・ユルゲスの若さ。そして編集が完全にデジタルになったことだ。インタビューで「寂しい」とつぶやいていたが、それが時代の流れを決して無視することができない監督らしい変身ぶりだ。フェドンはギリシャ系で父親がカサヴェテスのスタッフだったという。青が特徴的な撮影監督で、青を基調にしているところにヴェンダース自身の変化も感じられる。
また登場人物の多さが目をひく。「ファラウェイ・ソー・クロース!」でもかなり多かったが、ここまで多いのは初めてじゃないだろうか?。それがはっきりと意味をもって個性的に描けたのが、この映画の底を支えている気がする。彼らがこれだけしっかり存在感を示さずに、ジェレミー・デイヴィス、ミラ・ジョヴォヴィッチ、メル・ギブソンの3人だけで話が展開していったら、アンバランスな感じがしただろう。
また、ほとんどホテルという一つの空間だけで物語が進行するのも目新しい。
キャストについては、ミラ・ジョヴォヴィッチは魅力的だが、私にとってやっぱりこの顔はリュック・ベッソンの顔に見えてしまう。トムトムとの二人の絡みがあまりにpureで、やはりフランスの小さな映画に見えてしまう。そういうメガネ抜きに見たら、この曖昧な雰囲気は好感をもてたのだろうか?
喜劇を描きたい、という気持ちは歓迎すべきことだと思う。ただ、喜劇とも悲喜劇とも思えなかった。周辺の人物は面白いのだけれど、核になる3人は一つも笑えない。監督はどんなものを撮っても、美しい映像を描き、美しい物語を描く抒情詩人であることは忘れないで欲しい。


2001年4月28日 東宝東和配給
2002年ベルリン映画祭オープニング作品・銀熊賞受賞
DVD Pamphlet Music Books
DVD
amazon
Pamphlet CD Infomation Books Infomation

Books Infomation
Movie Top