短編映画 - vol.2
ワニの家族から/島
Aus der Familie der Panzerechsen / Die Insel
1974年 ドラマ 2×25分 16mm カラー 西独
製作会社 | バイエルン放送局/西ドイツテレビ |
製作 | エヴァ・ミーケ<Eva Mieke> |
監督 | ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders> |
脚本 | フィリップ・ピリオート<Phillipp Pilliod> |
撮影 | ミカエル・バルハウス<Michael Ballhaus> |
編集 | リリアン・ゼンク<Lillian Seng> |
出演 |
リザ・クロイツァー<Lisa Kreuzer>(モニカ)/カーチャ・ヴルフ<Katja Wulff>(ウーテ)/ヘルガ・トリュムパー<Helga Trümper>(ウーテの母)/ニコラス・ブリーガー<Nicolas Brieger>(ウーテの父)/マルクアルト・ボーム<Marquard Bohm>(動物園を訪れた男)/ブリジット・ベルガー<Brigitte Berger>/エヴァ・マリア・ヘルツィッヒ<Eva Maria Herzig>/バーガード・シュリヒト<Burghard Schlicht> |
■ 内容
放課後を過ごす子どもたちのための施設「私たちの家」の横に動物園があって、入口にきれいな服をボロボロにし、タイツや顔を汚した金髪の女の子が立っている。動物園に入る人がかわいそうに思って切符を買ってあげると、喜んで入っていく。女の子の様子は何かとても不自然に見える。彼女が帰る家は見るからに裕福な家で、なるほど税理士と書いてある。父親は馬の調教の方に興味があり、専業主婦の母親は家事で手一杯でウーテを迎えに行くことすらしようとしない。父親は子どもには無関心で何でも母親のせいにする。母親は不審に思い、課外学校へ行き何が起きているのか問うが、学校側の教師の対応は悪い。見習いだったモニカはウーテが気になり、課外学校を抜け出したウーテの後をついて行くと自分で服を汚し、動物園の前に立っている。同情をひいて券をもらおうとしているのだ。そんなにまでして動物園に入って何をしているのかというと、ずっとワニの檻の前にいる。モニカはウーテの両親に精神科医に彼女を見せるよう説得するが…。
■ 感想
バイエルン放送局の「私たちのための家」というテレビシリーズの一部で、一人の監督が50分(25分間×2)を担当するというもの。ヴェンダースの分が「ワニの家族から」「島」の2本セットとなっている。ケルンの課外学校を舞台にして、そこに顔を出している生徒たちの一人を主人公として取り上げる、という形で製作された。ヴェンダースが「パンのために引き受けた」という仕事だった。
「ワニの家族から」の最初のウーテの様子はとても異様な感じがする。服が良すぎる。髪も金髪。なんだかとてもお嬢さんなのに、薄汚れている。両親が赤ちゃんだった妹をワニの口の中に放り込んだという彼女の作り話も精神科医なら喜んで飛びつくところだ。
|
■ DVD
ヴィム・ヴェンダース DVD-BOX 旅路の果てまで 特典ディスク
日本未放映
リヴァース・アングル
Reverse Angle
1982年 ドキュメンタリー 18分 16mm カラー 仏
■ 内容
「ハメット」の撮影を終えたヴェンダースはフランス国営テレビ局アンテーヌ2から「シネマ=シネマ」というシリーズの一篇として映画日記を依頼される。この「リヴァース・アングル」は元々「ニューヨークからの手紙」と名付けられ、「666号室」などとまとめて90分の「リヴァース・アングル」として放映される予定もあった。日本では1984年の東京ドイツ文化センターのヴェンダース特集で放映された。
日本未放映(特別上映のみ)
666号室
Chambre 666
1982年 ドキュメンタリー 45分 16mm カラー 仏
製作会社 | 仏国営テレビ アンテーヌ2/Gray City |
製作 | クリス・ジーヴァーニッヒ<Chris Sievernich> |
監督、脚本 | ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders> |
撮影 | アグネス・ゴダール<Agnès Godard> |
編集 | ペーター・ブルツィゴッダ<Peter Przygodda> |
音楽 | ユルゲン・クニーパー<Jürgen Knieper> |
出演 |
ジャン・リュック・ゴダール<Jean-Luc Godard>/マイク・ドゥ・レオン<Mike de Leon>/ロマン・グピー<Romain Goupil>/パウロ・ローシャ<Paulo Orcha>/ポール・モリセイ<Paul Morissey>/ノエル・シムソロ<Noel Simsolo>/ヴェルナー・ヘルツォーク<Werner Herzog>/ミケランジェロ・アントニオーニ<Michelangelo Antonioni>/マルーン・バグバディ<Maroun Baghbadi>/スティーブン・スピルバーグ<Steven Spielberg>/ヴィム・ヴェンダース<Wim Wenders>/イルマズ・ギューナイ<Yimaz Güney> |
■ 内容
1982年カンヌ映画祭で「ハメット」が公開されたときに、さまざまな国の著名な映画監督があつまったのを利用して、監督たちに映画の未来の展望について行ったインタビューをコラージュしたもの。「666号室」というタイトルはインタビューが行われたホテルのルームナンバーに由来している。部屋にはテープレコーダーと16mmカメラがおいてあるだけで、監督たちは窓際の椅子に座り一人独白する。質問は「映画は、私たちのもとから失われつつある言語なのでしょうか?すでに滅びつつある芸術なのでしょうか?」というもの。
日本未放映(特別上映のみ)