朝日ジャーナル 第27巻37号 ~対談
日独俊英監督が語り合うニューシネマ・本当に怖い「風景」とはなにか―「パリ、テキサス」そして東京
森田芳光,ヴィム・ヴェンダース
朝日新聞社 1985年9月13日 p92~6
1983年に「家族ゲーム」を公開させた森田芳光との対談。対談に備えてヴェンダースは「家族ゲーム」をビデオで見たと言う。律儀だな。カメラを固定することにこだわる両監督の話は面白かった。そうか。だから横並びのテーブルなんだ。だから去っていくトラヴィスを追ってないのか、等々。タイプは違えど映画監督同士なので、それなりに実のある対談である。
マジックミラーは映画のスクリーンのようなものだ。トラヴィスは妻を直視せず、そのイメージだけを追いかけている。そのイメージを映し出すスクリーンのようなものだと。自分の父親も母親に対して本物を見ず「パリの女」という幻影を見ていた。
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