キネマ旬報 1132号
特集「時の翼にのって―ファラウェイ・ソー・クロース!」
キネマ旬報社
1994年5月15日
p42~49
「時の翼にのって」の公開後の特集。ヴェンダースと主演のオットー・ザンダーのインタビューなど。映画評はエミットの存在に大きく着目。エミットが時を支配する堕天使ならばカシエルは時の流れの体現者であると。それは純真無垢なカシエルが人間界に対する抵抗力がなく壊れていく様をそう言う。だが、そのままにせずに残された人生の時間を悪に立ち向かうことに費やすのである。「人間としての限界を知って人間として時を生き急ぐ」とザンダーは言う。「ベルリン、天使の詩」と「時の翼にのって」は人間になった天使の苦悩都市の物語であり、この二つの作品は「合わせ鏡のように対をなす」のだ。
- 素晴らしい天使たちと出会うことができた―ヴィム・ヴェンダース監督インタビュー(インタビュー=山田弥生)p42~44
- 天使カシエルの行為は'94年的な姿勢だ―オットー・ザンダー(インタビュー=川口敦子)p45~46
- 作品評・人間になった天使の苦悩と死(大和晶)p47~48
- 「時の翼にのって」が50本記念作品となるシネマライズ渋谷 頼光弘・香苗インタビュー p49
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